先週に続き、研修旅行ブログ、お付き合いください。
まずは、「長岡リリックホール」から参りましょう!
劇場(客席数450名)とコンサートホール(客席数700名)を持つ巨大な市民ホールです。
にしては随分と軽やかで、サラ〜っと風が吹き抜けたような、そんな佇まいですよね。
設計は世界的な建築家 伊東豊雄さん。
目指されたのは、「芝の丘」「浮遊する建築」。
自然の中に、巨大な建物が建設された時の違和感はなく
この土地の一部として、しっくり馴染んでいました。
ところで皆さんは普段、こういった公共施設で、
コンサートや演劇など、鑑賞されますか?
スタジオや練習室、会議室など利用されますか?
え〜っと….私は年に一度あるか….ないか….、正直ないです(汗)
長岡リリックホールは、稼働率が7割を超えていて、この数字は全国平均を大きく上回っています。
魅力的な建物が街にやってくると、一度は行ってみる方も多いと思います。
しかし、二度目の訪問や、いざ利用してみる!となると、限られた方だけになるのでは….と思います。
長岡リリックホールは、「鑑賞の場」としてだけでなく、「活動の場」として、
市民の皆様を主役に設計されているので、
子供からお年寄りまで、気負いすることなく利用できる、そんな雰囲気がありました。
まさに、公共建築のあるべき姿だな〜と大変勉強になりました。
使いこなされている市民の皆様も、かっこいい!
ホワイエは、公演がない時も、読書や散歩の途中に腰掛ける人々が集い、憩いの場となっていました
次に訪れたのは、
十日町市立里山科学館 越後松之山「森の学校」キョロロ
設計は手塚貴晴さん+手塚由比さん
にょろにょろっと、クネクネしていて、生き物のような外観
この生き物(建物)、動くんですよ〜そして鳴くんです!
というのは冗談ですが、
実際に、一年を通じて、建物が20cmほど伸び縮みします。
建物は、完全に基礎に固定されておらず、寒暖差に応じて伸縮します。
夏には、熱々になった外壁が膨張するときに、音を出します。
まさに生き物のようですね。
次回は夏に、建物の鳴き声を聞きに伺いたいです!
そして、普段見慣れない、鉄で覆われた外観。
豪雪地域で建物を維持するために、特殊な外壁を採用されています。
赤茶色いのは、耐候性鋼板(コールテン鋼)の錆(さび)です。
錆(さび)が内部の腐食化を抑えてくれるので、外壁のメンテナスがほとんどいらないそうです。
冬には建物全体が雪に埋まります。
ならば雪の中を見てみたい!
分厚いアクリルの窓が、豪雪の圧力に耐えていました。
最後に
「越後妻有里山現代美術館 MonET」
設計は原広司さん
外観:正方形のコンクリートの塊に圧倒されました
中へ入ってみると、こちら側が外のような、中のような、不思議な感覚。
一気に非日常に連れていかれました。
気がつくと、アート作品にどっぷり浸っていました。
この池も、アルゼンチンのアーティスト、
レアンドロ・エルリッヒによる作品「Palimpsest:空の池」です。
池は、じゃぶじゃぶ入ってもいいですし、
2階から池を見ると、あっ!という発見スポットもあります。
建築と遊んでいるようで、なんだか楽しかったです。
以上で研修旅行ブログを終わります。
建築で人生をより豊かに、愉快に、幸せにすることができる、
そんなヒントをたくさん発見することができました。
事務所のメンバーと、
今後ともSTaDをどうぞよろしくお願いします!
STaD(スタッド)
株式会社鈴木貴博建築設計事務所
公式インスタグラム @stad_architect.design